「お願い」スタイルでスムーズに

隣の家から木の枝が伸びてきて、敷地内に葉を落としたり、建物に当たったりということはあるかと思います。民法上は、伸びて敷地内に入ってきた枝等は勝手に伐採することはできません。やはり木も生き物なので、伐採して枯れてしまうことが想定されるからです。隣地が木を植えている場合、緑が見えるのは素適なことですが落葉樹だと雨どいに葉がたまってしまったりと、本当にトラブルの源になってしまいます。

このような時は、まず先方にお願いスタイルで臨んでみましょう。その時には、伸びてきた枝葉によって、どのような迷惑になっているかを事務的にお伝えします。その上で「勝手に伐採することができないので、お願いできますか」としましょう。迷惑かけているのは先方の方なので、こちらの主張を強く伝えてもおかしくはないのですが、なにせお隣さん。のちのちのことを考えると、仲良くしておくのにこしたことはありません。お願いは口頭なのかお手紙なのか迷いどころですが、きちんとコミュニケーションが取れている相手なら、口頭の方がいいですね。手紙だと、いきなり喧嘩腰と受け取られてしまいかねません。どうしても会うことがない、何回か尋ねて行っても会えない、そういった場合にはお手紙にしましょう。そしてこのような場合、「何度かお伺いしたのですが運悪くお会いできなかったので、仕方なく書面にさせていただきますね」という感じで強い印象を与えないように工夫することが重要です。

やんわりのお願いに対応していただけない場合、次のステップとして「こちらがとても困っている」ということを感情ではなく事務的にお伝えした後、「もしよろしければこちらで剪定させていただきましょうか」と提案してみましょう。仮に隣地の方がちょっと高齢な場合、隣地に伸びた枝を選定するのに体力的にも厳しい場合も想定されます。そんな場合、やんわり提案してもらえると相手方も救われるはずです。

一連の工程でいちばんいけないのは、感情的になってしまうことです。こちらが落ち葉などの被害を受けているので、どうしても「切ってよ」的な思いになってしまうのは仕方がないことです。ですがそれをぶつけてしまうと、関係はこじれてしまって隣地同士でしこりを残してしまいがちです。まずは「こういうことで少し困っているので、お願いできませんか?」と、困っている事実を事務的に伝えてお願いする!これがポイントとなります。

トラブルが生じたとき、送ってしまった書面によって、炎上してしまったり、関係性が悪くなったり、問題の解決を妨げてしまうことがありますが、これは本当に最悪です。相手をクレーマーにしてしまうのは、こちら側の対応が原因となることも覚えておきましょう。

相手がこちらの意向を知っていながらそれでも対応してもらえない場合には、そのときに初めて「今まで剪定をお願いしておりましたが、こちらも日々このようなことで困っておりますので、致したかなく当方の敷地内に伸びてはいってきている枝葉は〇月〇日頃には剪定させていただきます。何かございましたらご連絡ください」と最終勧告をしましょう。これは万が一、先方から「切った」と訴えられたときに、ここまでしたのに対応してくれたなかったから、と主張できる証拠となります。逆に証拠を残しておかないと、損害賠償請求されてしまうので注意しましょう。

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