私が考える世代別滞納理由

家主さんにとって、家賃滞納問題がいちばん頭を悩ますことではありませんか? 空室なら良い入居者を確保すればいいことですが、滞納の場合は部屋は使われているのにお金を払ってもらえない。滞納者を追い出すにも費用がかかってしまうので、「滞納されているからゼロだよ」ではなく、本当はマイナスなんですよね。そのため滞納に関しては、一日でも早くの対応が不可欠になってきます。

まずは世代別に考えていきましょう。20,30代の滞納は、収支のバランスがほぼ崩れています。払えると思っていたら、想定以上に生活費がかかってしまって払えない。身の丈以上の物件を借りてしまった、というケースです。そのためこの場合には、待っていても滞納状態はずっと続きますので、もっと安い物件に引っ越した方がいいと誘導していくしかありません。
40,50代の場合には、職を失ったか介護や子どもの教育費にかかってしまった等が考えられます。転職が決まったり、子どもの入学金等を払って落ち着けば支払が改善されることもあります。
60代以降の滞納は、年金をもらうまでとか年金を受給しているけれど生活していくには足りないというケースがほとんどです。もう新たに収入が増えることもそうないので、足らずを生活保護を受給するよう促したり(必要な情報が必要な人に届いていないのが現状)、この先を見越して早めに安い物件に引越ししてもらうのが得策でしょう。

共通して言えることは、まず「払ってね」と督促するのではなく「なぜ滞納になってしまったか」ということを、じっくり聞いてあげることです。賃貸物件の家賃は、永続的に続くもの。滞納者たちはなんとか「面倒」だし「引越し費用がない」という理由で、物件に継続して住み続けるための言い訳をしてくると思います。しかし長期的に考えれば、現段階で転居した方が絶対に良いと判断できることの方が多いのです。そのジャッジを見誤らないためにも、まずはきちんと話を聞いてあげることが必要です。また滞納者が正直に話してくれるよう、常日頃から入居者とのコミュニケーションをとっていくことも重要なことなのでしょう。

そもそも滞納できてしまう人は、お金の逆算ができない人たちです。お金の教育がきちんとされていない日本では、生まれ育った家がお金に関してきちんと躾けてくれた等でないと、ルーズな性格の人は簡単に滞納してしまいます。「このままじゃ貯金があと○ヶ月で底をついてしまう」と考えられる人は、自ら生活レベルを落とせます。滞納しちゃえる人たちは、こういった逆算ができないのですね。そのため会計は破たんしているのに、なんとか継続して住み続けていられるように嘆願してしまうのです。情にほだされてこの嘆願に負けてしまうと、結局のところ滞納者に借金を積み重ねさせてしまう結果となります。そんな彼らは、そう簡単にこの借金も返せません。だからこそお金のコントロールができない滞納者の人たちに、借金をさせてはいけないということになるのですね。

お金の督促は、ストレスが溜まる作業です。「払います」と言われてしまうと、その言葉を信じたいとも思ってしまいます。その気持ち分かりますが、ここは冷静に「滞納であることの理由」を家主さん側が判断して良い方向に導いてあげたいところです。

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