音の問題

 入居者の方から「音がうるさい!」と、クレームを受けたことがありますか? 音のクレームは、受け手によって感覚が違うのでなかなか立証できにくく手ごわい問題となります。ところが家主側が「当事者で解決してください」なんて突き放してしまうと、音を出しているのは家主さんでもないのに、怒りの矛先が家主さんに向いてしまいます。「ちゃんと対応してくれなかった」と良い入居者が退去、転居にかかる損害賠償を求められる結果にも繋がってしまうこともあるでしょう。ではどうしたらいいのでしょうか。

 まず入居者の方から音のクレームを受けた場合には、全戸に「音に関するアンケート」を出してみましょう。こうしてすぐに動くことによって「ちゃんと対応してくれない」を封じることができます。
 このアンケートには、音のストレスを感じたことがある、ない、ある場合にはどのような音か、たとえばギシギシ、テレビ等の大音量、コンコン、などなどチェックしてもらえるようにいっぱい羅列します。そして感じる時間帯。終日なのか昼間なのか夜なのか。賃借人の方々に、ゼロから書いてください!となるとなかなか回答が得られないので、チェック式でこちらが選択肢を書いてあげると回答率は数段アップします。そして可能であれば部屋番号と名前を書いてくださいとして、アンケートを回収してみましょう。

 もちろん回答してくれない部屋の人もいると思います。それも家主側はチェック。回答してくれたアンケートも含め、総合的に情報を探ります。
 もし誰一人「音の問題でストレスなし」であれば、音のクレームをつけてきた人が、単にクレーマーである可能性大ですよね。あとは昼間の音も、ある程度はお互いさま。許容範囲です。一方、夜間の音の問題を複数人が感じているとなると、これはやはり現実に音のトラブルがあるということでしょう。
 部屋番号が書いてあれば、そこからどの部屋がストレスを感じているのかも、ある程度把握することができます。アンケートの回収状況にもよりますが、ストレスを感じると回答した部屋から、音の発生元を推定することもできるでしょう。そうした情報を得てから、そのアンケート結果をまた全戸に開示します。住民の方が音の問題を感じていらっしゃることが分かったので、皆さん、生活音等に気をつけましょうとか、こういう種類の音に気をつけましょう等々、きちんとアナウンスしましょう。各戸に書面で通知するとともに、エントランスの掲示板にも注意喚起の書面を貼っておきます。こうすることで「家主側はきちんと対応していますよ」ということをアピールすることができます。こうすることで家主側に怒りの矛先が向くことを、防ぐことができるのです。同時に音を出している賃借人に、牽制することもできます。

 そしてもし音の問題が深刻で、尚且つ特定の賃借人に絞れるだけの証拠を得たなら、直接その賃借人に改善してもらうよう依頼します。ここは証拠を残す意味でも、必ず書面でしてください。これだけ改善を求めたけれど、それでも変わらなかった、だから信頼関係が破たんした。その積み重ねをすることによって、最終的に裁判でその音の発生元の賃借人に退去してもらえる判決を勝ち取ることができます。逆に音を出しているという証拠と、改善を求めたけれど変わらなかったという証拠がなければ、裁判ではその賃借人に退去してもらえないということを覚えておきましょう。

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