入居者が亡くなり、その損害を賠償してもらいたいのですが

家主さんとすれば、入居者がお亡くなりになれば大きな痛手ですよね。
ただ「痛み分け」という気持ちも持ってくださいね。「第三者だからそう言えるんだ!」とお叱りを受けてしまいそうですが、私の今までの経験からすると、家主さんがこの「痛み分け」のお気持ちを持ってらっしゃった方のほうが、その後の賃貸経営がスムーズに進みます。そこを頭に入れて聞いていただきたいです。
例えば、損害賠償請求をするとします。ここでさっと払ってもらえなければ、訴訟になります。訴訟である程度の時間かけて争って、支払えという判決が出ます。それでも相手が支払わなければ、強制執行で差し押さえとなります。その時、給与債権か銀行口座の差し押さえとなるのですが、その口座が分からなければ、差し押さえができません。口座を調べると言っても時間や費用もかかります。そして仮にできたとして、この手続きをもし専門家に依頼したら、その人の報酬も払わなければなりません。そうしたら家主さんの手元に残るお金は…?
そう考えると、話し合いでそこそこで折り合った方が、良い時もあるのです。そこをよく検討してください。「泣き寝入りしてください」と言うわけではありません。ただあまり権利を主張しすぎると、損する場合があるということを最初に知って欲しいのです。
相手が相続放棄してしまうと、何もなくなってしまいます。そうならないために、押しすぎないこと、これが肝心です。