訴訟をお願いした場合、どれくらいの時間がかかりますか?

強制執行までした場合には、最短で4か月です

流れをお伝えします。まず委任状をいただいたら、その日のうちに内容証明郵便を発送します。これは現在の滞納額を請求して、期間に支払わなかったら契約を解除するよ、というアナウンスです。通常は支払期間は5~7日でしています。「出て行って」と求めるためには、まず賃貸借契約を解除しなければいけないからです。内容証明を受け取ってから支払期間のカウントがスタートするので、受け取ってくれなければ、カウントダウンできません。そのため内容証明郵便の控えのコピーを、特定記録で送ります。これは相手方のポストにいつ入れたかどうかを、郵便局の追跡サービスで把握することができるためです。
内容証明郵便を受け取った、もしくは特定記録が届いた、そこから指定の期間(5~7日)をカウントして、その期間に全額の支払いがなければ、賃貸借契約は解除されます。
解除の翌朝いちばんで明渡訴訟を申し立てます。裁判所と期日(裁判の日)を決めて、裁判所が被告側(滞納している人や連帯保証人等)に「この日に出廷してきなさい」と訴状を送ります。一般的に期日は、訴訟申し立てした後1~1,5ヶ月先です。しかし8月、12月は2ヶ月先になることもあります。
滞納案件は、通常1回の審理で終わります。その日に判決が言い渡される、1週間後に言い渡される、等々、裁判官によって多少差はあります。
判決には仮執行がついている場合、相手方に判決が送達されれば、強制執行をすぐに申し立てることができます。
仮執行がついていない場合、2週間控訴するかどうか検討する期間が与えられ、2週間以内に控訴されなければ、判決は確定、執行を申し立てることができます。
強制執行は申し立ててから2週間以内に、執行官が一度中に入ります。これを「催告」と言います。ここで占有者が間違いなく被告と認定できたら、室内に「〇月〇日○時から荷物を撤去します。その日時までに退去するよう」という公示書を貼ります。一般的には催告日から1ヶ月以内の日を指定します。この指定された日を「断行」と言います。この断行日に中に立ち入り、荷物を完全撤去、鍵を換えて入れなくして強制執行終わり。
ここでようやく家主さんは、次の人にお部屋を貸せるようになります。
ここまでで、一般的には最短4ヶ月です。

ただしうちの事務所の場合ですが、強制執行までかかるケースは全体の数パーセント。夜逃げなどの場合が多いです。平均解決月数は2ヶ月切っています。章司法書士事務所では、訴訟と並行して交渉で任意退去を促します。任意に退去してもらえたら、訴訟は取り下げ、滞納分を分割で回収するということをします。