最近、当所にも入居者からのクレームで困っている家主さんから相談があります。いちばん多いクレームは、近隣の騒音や水周りの不備を訴えてくるもの。
通常は「いちゃもん」が多いので、管理会社に依頼していない場合、窓口は家主さんですから、適切な対応で乗り切りましょう。
賃貸借契約において家主さん側は、賃料に応じた部屋を賃借人が気持ちよく使用できるようにしなければなりません。でもこの【気持ちよく】が難しいところですね。
クレームがあったとき、必要なのは事実関係を明確にするということです。
つまり問題は何なのか、相手方は何を求めているのか、そしてそれは正当なのか……
たとえば水周りのトラブルなら、専門家にみてもらい、何が原因でこうなったのか、使い方はどうなのか、修繕負担はどうなのか等々を把握します。具体的に検討材料が分かれば、おのずと答えも出るはずです。
電話でいろいろ言ってくるクレーマーの中には、何に対して文句言っているのかわからないようなこともありますから、こちらは冷静に相手の言わんとすることを分析していきましょう。
難しいのは感覚の問題のとき。たとえば騒音トラブルの場合には、人それぞれ感覚も異なりますし、現状を把握することすら難しい場合もあります。
そのような場合には、とりあえず共用部分に不特定多数の方を対象とした注意文を張り出したり、特定できる場合には直接文書で注意を促します。これは騒音に対する抑制の意味もありますが、家主側はきちんと対応していることをクレーマーにアピールする面もあります。
家主側は適切に対応した、それでもまだクレームを言う入居者には「共同住宅なのである程度は仕方がない」旨を毅然と伝えるしかありません。
決して感情的にはならず、毅然とした態度で臨むことが必要です。