家主さん達の永遠テーマではないでしょうか。講演するたびに、このようなご質問をいただきます。
この回答として「物件の商品価値を上げるしかない」と申し上げておきましょう。
まず、皆さんはご自身の物件に住みたいと思われますか? 答えがノーなら、それはなぜでしょうか? 場所ですか? 間取りですか? 古さですか? 清潔さですか?
要は、仮に相場より高めの賃料設定でも、借りてくれる人がいれば問題はない訳です。いかに「借りたい」「住みたい」という物件にするかどうか、ここが値段設定のポイントです。
ではどうすれば、物件価値は上がるのでしょうか?
ハード面なら、物件の清潔さが一番だと私は思います。新しい建物でも、掃除がずさんだったり、ポスト周辺にチラシがたくさん落ちていれば、「住みたい」場所にはなりません。
リフォームもお金をかけさえすれば良いではなく、その物件の立地やニーズにあった工夫こそが重要ではないでしょうか?
ソフト面では、他の入居者がポイントです。たとえばタトゥー(刺青)のある人が住んでいたなら、どうでしょう? 家賃をきちんと支払うという方々が、好むでしょうか?
常識ある人は、家賃もきちんと支払うし、集合住宅でトラブルも起こしません。ペット禁止マンションで犬も飼わないし、隣人に迷惑かかるような騒音も出しません。共用部分にタバコの吸殻を捨てたりもしません。
家主さんにとって「いい住民」が多いマンションは、同じタイプの賃借人を呼びます。だから賃料が多少高くても、入居申し込みがなされます。
物件価値を上げるのに、ハード面ばかり気にする家主さんが多いのですが、実はソフト面の方が重要だと私は感じます。
滞納の多い物件は、ますます滞納は増えるし、さまざまなトラブルも生じます。
「ゼロよりはマシだから」と滞納者を追い出さないと、結果、大切な商品の価値を下げてしまうことになるのです。