立ち退き交渉でいちばん大切なことは何ですか?

建物が古いと、普通は設備も古いわけです。それでも住んでいただいているのは、引っ越しを望んでないから。とにかく頭を下げて、退去をお願いすることが大切です。
そして高齢者になればなるほど、引っ越しは体力的にも精神的にも辛いはず。その不安を取り除いて上げることが必要です。そのためにはとにかく寄り添って上げること。
「ご一緒に次のお部屋を探していきましょう。どんなお部屋がご希望ですか?」と賃借人がここまでやってくれたから…そう思ってもらえるくらいに信頼関係を築きましょう。
そのためにはお手紙や電話では伝わりません。必ず足繁く通いましょう。
特に立ち退きの明け渡しなら、通常の引っ越しみたいに部屋を空っぽにする必要はありません。「その建物は取り壊すので、不要な物は置いて行ってもらっても大丈夫ですよ」と言う寛容さを持ちましょう。多少荷物の処分費用はかかりますが、全体からすると大したことではありません。
荷物の処分に頭を悩ます賃借人の方の負担を少しでも減らしてあげましょう。その場合には必ず残置物の放棄書はもらいましょう。